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プラスチック塗装トラブル一覧とその対策方法

樹脂・プラスチック塗装技術ナビは、プラスチック塗装はもちろんのこと、金型の設計・製作から射出成形、塗装・加飾、組立、検査・試験までの一貫生産体制を実現することで、お客様にコストダウン・納期短縮をご提案しております。

また、プラスチック製品に特化し、お客様のニーズに合わせて、塗料メーカー様と連携して塗料開発を行っております。

今回の記事では、「プラスチック塗装トラブル一覧とその対策方法」について、実際にプラスチック塗装を行う当社だからこそお伝えできる専門的な情報をお伝えします。

プラスチック塗装トラブル一覧とその対策方法

 

トラブル概要原因
1ゆず肌塗装面が平滑にならず、みかん皮のように凸凹の塗り肌になる現象。塗料の粘度。塗布量。乾燥速度。
2ピンホール塗膜の表面にボツボツと小さな穴が開く現象。塗料内の溶剤の揮発が不均一、塗装面の清掃が不十分。
3垂れ塗料の一部が流れてたまり、膜厚が厚くなる現象。過剰な塗布量、塗料の粘度の問題。塗装面が傾いている。
4たるみ塗装面に塗料が流れた痕が残る現象。塗布量が多すぎる、塗料の粘度が低すぎる。
5ブツ仕上がり直後に現れる不規則な形をした角形、または円形のふくれ(突起)。塗装面の清掃が不十分で、塵や埃が付着。
6白化・かぶり塗装表面の光沢を失い、白っぽくぼやける現象。塗装環境の湿度が高すぎる、塗料の乾燥が早すぎる。
7黄変塗膜の色が黄味を帯びる現象。紫外線の影響、酸化、塗料の成分に起因。
8シケ塗装面が腐食する現象。塗装前の下地処理が不十分、塗料の耐候性が不足。
9わき塗装面に針穴のような小さい穴や突起がある現象。塗装面の清掃が不十分で、異物が混入している。
10透け塗膜が透けて下塗りの生地が肉眼で見える現象。塗布量が不足している、塗料の隠蔽力が不足している。
11ハジキ塗料が均一に付着せず、塗膜の所々にヘコミが生じる現象。塗装面に油分や汚れが残っている。
12メタリックムラ部分的に発色状態が変わりムラに見える現象。塗料の混合不良、塗布量の不均一、乾燥速度の不均一。
13艶ヒケ塗装膜がくもったり、ぼけたりして、艶の足りない状態になる現象。塗料の乾燥不良、塗装面の不適切な処理、塗料自体の品質。
14硬化不良一定時間が経過しても、塗料が硬化・乾燥しない現象。硬化剤の不足、塗料の混合不良、乾燥条件が不適切。
15もどり・軟化一度乾燥・硬化した塗装面が、再び粘着性が出る現象。塗料の品質不良、過剰な湿度、不適切な保存環境。
16かぶり塗装した時の隠ぺい力の不足、乾燥過程での白化現象。塗料の隠蔽力不足、乾燥不良。
17コンタミ他色の塗料が混入して、その色が斑点状に現れたり、ハジキが発生する現象。塗装環境の汚染、塗料の混入、塗装器具の不適切な管理。
18額縁現象被塗物の端に多く塗着し、端付近が波打つ現象。塗布量の不均一、乾燥不良。
19密着不良塗膜が内外部の物理的な力によって、亀裂・浮き上がり・剥離する現象。塗装面の清掃不良、塗料の品質不良、不適切な乾燥条件。
20クレーター塗装面に小さな円形のくぼみができる現象。塗装面に油分やシリコンが残留。
21かすみ塗装面が部分的に薄くなり、色むらが生じる現象。塗布量の不足、塗料の粘度の問題。
22ブリスター塗装面に小さな水ぶくれのような膨れができる現象。塗装面に水分が残っていること。塗料の乾燥不良。
23ホットスポット塗装面の一部が過度に乾燥し、周囲よりも明るく見える現象。塗装面が直接日光に当たる、または乾燥が不均一。
24エッジピール塗装面の端部が剥がれる現象。塗装面の処理不足、塗料の付着不良。

 

現象説明: 塗装面が平滑にならず、みかん皮のように凸凹の塗り肌になる現象です。これは「オレンジピール」とも呼ばれます。

原因: 主な原因は、塗料の粘度が高すぎる、塗布量が多すぎる、または乾燥速度が遅すぎることです。また、スプレーガンの設定が不適切であったり、塗装環境の湿度や温度が高すぎる場合にも発生します。

対策方法: 塗料の粘度を調整するために、適切な希釈剤を使用します。また、スプレーガンの設定(圧力、ノズルサイズ)の調整も有効な対策になります。その他、塗布量を適切に管理し、一度に厚塗りしないようにすること、塗装環境の湿度や温度を適切に管理することも重要です。

現象説明: 塗膜の表面にボツボツと小さな穴が開く現象です。

原因: 塗料内に含まれる溶剤の揮発が不均一であること、塗装面の清掃が不十分であること、または塗装面に油分や水分が残っていることが原因です。

対策方法: 塗装前に塗装面をしっかりと清掃し、油分や水分を完全に除去するこが重要です。また、塗料の混合比を正確に守り、揮発性の溶剤を適切に使用することも重要です。その他、適切な塗装条件(温度、湿度)を維持することも対策としては有効です。

現象説明: 塗料の一部が流れてたまり、膜厚が厚くなる現象です。

原因: 過剰な塗布量、塗料の粘度が低すぎる、または塗装面が傾いていることが原因です。

対策方法: 塗布量を適切に管理し、一度に厚塗りしないようにする必要があります。塗料の粘度を適切に調整、また塗装面を水平に保ち、塗装中に動かさないように注意する必要があります。

現象説明: 塗装面に塗料が流れた痕が残る現象です。

原因: 塗布量が多すぎる、塗料の粘度が低すぎる、または塗装環境の湿度が高すぎることが原因です。

対策方法: 適切な塗布量を維持し、一度に厚塗りしないようにすることが重要です。また塗料の粘度調整、湿度管理も有効です。

現象説明: 仕上がり直後の塗膜全面、または一部に現れる不規則な形をした角形、または円形のふくれ(突起)が発生する現象です。

原因: 塗装面の清掃が不十分で、塵や埃が付着している場合、または塗料内に不純物が混入している場合に発生します。

対策方法: 塗装前に塗装面をしっかりと清掃し、塵や埃を完全に除去する必要があります。使用する塗料の品質を確認し、不純物が混入しないように管理することが重要です。

現象説明: 塗装表面の光沢を失い、白っぽくぼやける現象です。

原因: 塗装環境の湿度が高すぎる、塗料の乾燥が早すぎる、または使用した溶剤が適切でないことが原因です。

対策方法: 塗装環境の湿度を管理し、適切な乾燥条件を維持する必要があります。また、塗料の乾燥速度を調整するために、適切な溶剤を使用する必要があります。

現象説明: 塗膜の色が黄味を帯びる現象です。

原因: 紫外線の影響、酸化、または塗料の成分に起因するものです。

対策方法: 紫外線カット剤を添加した塗料を使用することで黄変を防止することができます。また酸化を防ぐための環境や塗料への配慮を行うことが重要です。

現象説明: 塗装面が腐食する現象です。

原因: 塗装前の下地処理が不十分である場合、または塗料の耐候性が不足している場合に発生します。

対策方法: 塗装前に下地処理を徹底し、錆や汚れを完全に除去します。また、耐候性の高い塗料を使用し、必要に応じて防錆剤を添加することも有効です。

現象説明: 塗装面に針穴のような小さい穴や突起がある現象です。

原因: 塗装面の清掃が不十分で、異物が混入している場合に発生します。

対策方法: 塗装前に塗装面をしっかりと清掃し、異物を完全に除去することが有効です。使用する塗料の品質を確認し、不純物が混入しないように管理する必要があります。

現象説明: 塗膜が透けて下塗りの生地が肉眼で見える現象です。

原因: 塗布量が不足している、または塗料の隠蔽力が不足している場合に発生します。

対策方法: 適切な塗布量を維持し、均一に塗布することが重要です。その他、 隠蔽力の高い塗料を使用することも効果的です。

現象説明: 塗料が均一に付着せず、塗膜の所々にヘコミが生じたり、噴火口のような穴が生じる現象です。

原因: 塗装面に油分や汚れが残っていることが原因です。

対策方法: 塗装前に塗装面をしっかりと清掃し、油分や汚れを完全に除去することが対策としては有効的です。高品質な脱脂剤を使用し、塗装面を準備する必要があります。

現象説明: ベース内のアルミ顔料が動き、部分的に発色状態が変わりムラに見える現象です。

原因: 塗料の混合不良、塗布量の不均一、または乾燥速度の不均一が原因です。

対策方法: 塗料を十分に混合し、均一な状態を保る必要があります。 適切な塗布量を維持し、一度に厚塗りしないようにし、均一な乾燥を促進するために、適切な条件で乾燥を行う必要があります。

現象説明: 塗装膜がくもったり、ぼけたりして、艶の足りない状態になる現象です。

原因: 塗料の乾燥不良、塗装面の不適切な処理、または塗料自体の品質が原因です。

対策方法: 塗料の乾燥を適切に管理し、均一な乾燥を促進する必要があります。塗装面を適切に処理し、塗料の付着性を向上させることが重要です。

現象説明: 一定時間が経過しても、塗料が硬化・乾燥しない現象です。

原因: 硬化剤の不足、塗料の混合不良、または乾燥条件が不適切であることが原因です。

対策方法: 適切な量の硬化剤を使用し、塗料を正確に混合させます。適切な乾燥条件(温度、湿度)を維持することも重要です。

現象説明: 一度乾燥・硬化した塗装面が、ある時間を経った後に再び粘着性が出る現象です。

原因: 塗料の品質不良、過剰な湿度、または不適切な保存環境が原因です。

対策方法: 高品質な塗料を使用し、適切な保存環境を維持することが重要です。塗装後の乾燥条件を適切に管理し、湿度をコントロールする必要があります。

現象説明: 塗装した時の隠ぺい力の不足、乾燥過程での白化現象です。

原因: 塗料の隠蔽力不足、または乾燥不良が原因です。

対策方法: 隠蔽力の高い塗料を使用することが効果的です。

現象説明: 他色の塗料が混入して、その色が斑点状に現れたり、ハジキが発生する現象です。

原因: 塗装環境の汚染、塗料の混入、または塗装器具の不適切な管理が原因です。

対策方法: 塗装環境をクリーンに保ち、汚染を防ぐ必要があります。使用する塗料を厳密に管理し、混入を防ぎます。その他、塗装器具を適切に清掃し、管理する必要があります。

現象説明: 被塗物の端に多く塗着し、端付近が波打つ現象です。

原因: 塗布量の不均一、または乾燥不良が原因です。

対策方法: 塗布量を均一に保ち、一度に厚塗りしないようにします。乾燥条件を適切に管理することが重要です。

現象説明: 塗膜が内外部の物理的な力によって、亀裂・浮き上がり・剥離する現象です。

原因: 塗装面の清掃不良、塗料の品質不良、または不適切な乾燥条件が原因です。

対策方法: 塗装前に塗装面をしっかりと清掃し、異物を完全に除去します。

現象説明: 塗装面に小さな円形のくぼみができる現象です。

原因: 塗装面に油分やシリコンが残っていることが主な原因です。また、塗料内の気泡や溶剤の揮発不良も原因となります。

対策方法: 塗装面を脱脂し、清掃を徹底することが重要です。。 使用する塗料の混合をしっかり行い、気泡の発生を抑えるようにします。

現象説明: 塗装面が部分的に薄くなり、色むらが生じる現象です。

原因: 塗布量の不足、塗料の粘度が高すぎる、スプレーガンの設定不良が原因です。

対策方法: 適切な塗布量を確保し、塗料の粘度を調整します。スプレーガンの設定を見直しも適宜行う必要があります。

現象説明: 塗装面に小さな水ぶくれのような膨れができる現象です。

原因: 塗装面に水分が残っている場合や、塗料の乾燥不良が原因です。

対策方法: 塗装面をしっかりと乾燥させ、水分を除去する必要があります。また、塗料の乾燥条件を適切に管理する必要があります。

対策方法: 塗装面の一部が過度に乾燥し、周囲よりも明るく見える現象です。

原因: 塗装面が直接日光に当たる、または乾燥が不均一な場合に発生します。

対策方法: 塗装環境を適切に管理し、直射日光を避けることが有効です。。

現象説明: 塗装面の端部が剥がれる現象です。

原因: 塗装面の処理不足、塗料の付着不良が原因です。

対策方法: 塗装面をしっかりと処理し、脱脂や清掃を徹底します。高品質なプライマーを使用し、塗料の付着性を向上させることも有効です。

樹脂・プラスチック塗装技術ナビのプラスチック塗装

樹脂・プラスチック塗装技術ナビでは、プラスチック塗装に関して多数の実績がございます。今回ご紹介したような塗装トラブルを起こさないよう、樹脂・プラスチック塗装技術ナビでは下記に注意しております。

①最適な溶剤選定

②最適なプライマー選定

③乾燥条件の最適化

今回ご紹介したような塗装トラブルでお困りの際は、まずは一度お気軽にご相談ください。

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次に、当サイトを運営する富士合成株式会社が過去に納品したプラスチック塗装品をご紹介いたします。

プラスチック塗装製品事例:通信機器カバー

こちらは通信機器カバーに対して塗装を行った事例です。お客様の要望スペックを満たしつつ、サンプルに塗装して提案し、検証を重ねたうえで求める塗装品質を実現した事例になります。

この事例では剥がれにくい塗装とするために、汚れが付着しにくく付着した場合でも拭き取り易い性質を持っている本塗料を使用しています。また性能だけでなく、外観に関しても今までにはない高透明度による色味の再現が可能ですので・・・

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樹脂・プラスチック塗装技術ナビを運営しております富士合成株式会社では、使用環境や目的に応じた最適なプラスチック材料の選定から、それに合わせた塗料の選定、そして、更にはより剝がれにくくするためのUV安定剤塗布も可能です。

また、富士合成では、プラスチックや塗料自体の開発にも力を入れております。お客様の求める製品を製造するべく、塗料開発から行っているのが当社の特徴です。金型設計、製作から、射出成形、塗装、検査まで一貫で対応することも可能です。

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