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プラスチック塗装における「ブツ」の原因と対策

「ブツ」という言葉を耳にしたことはありますか?

塗装面に発生する、小さな突起や凹みのことを指します。美観性が求められるプラスチック製品の表面にブツが発生してしまうと不良品となってしまいます。今回は、プラスチック塗装における「ブツ」の原因と対策について、プラスチック塗装のプロフェッショナルが解説いたします。

プラスチック塗装のブツとは?

プラスチック塗装における「ブツ」の原因と対策|樹脂・プラスチック塗装技術ナビ

ブツとは、塗装面に現れる小さな突起や凹みのことです。

塗装面が滑らかでなくなるため、見た目の美しさを損なうだけでなく、塗膜の強度や耐久性にも悪影響を及ぼす可能性があります。

ブツがあると、その部分から塗膜が剥がれやすくなったり、ひび割れが発生しやすくなるといった問題が生じる可能性も懸念されます。

ゆず肌との違い

ブツと似たような塗装不良に「ゆず肌」がありますが、これらは厳密には異なる現象です。

ゆず肌は、塗膜全体に細かい凹凸が広がっている状態を指し、まるでゆずの皮のように見えることからその名が付けられています。一方、ブツは、塗膜の特定の場所に突起や凹みが発生している状態を指します。

ゆず肌は塗料の乾燥速度や粘度、塗装方法などが原因で発生することが多いのに対し、ブツは塗料中の異物や、塗装前の下地処理の不備などが原因で発生することが多いという違いがあります。

ブツの原因と対策

ブツが発生する原因は、大きく分けて以下の3つの要素が考えられます。。

  1. 1. 塗装条件
  2. 2. 塗料
  3. 3. 吹き付け方法

それぞれについて原因と対策を詳しく解説していきます。

1.塗装条件

塗装は、周囲の環境に大きく影響されます。温度、湿度、風、そして塵や埃といった要素が、塗料の乾燥過程に影響を与え、ブツの発生に繋がる可能性があります。

例えば、気温が高すぎたり、湿度が高すぎる環境下では、塗料の乾燥が速くなりすぎてしまい、塗料の表面が均一に仕上がらずブツが発生しやすくなります。反対に、気温が低すぎると、塗料の乾燥が遅くなり、これもまたブツの原因となる可能性があります。

また、塗装する場所に塵や埃が多いと、それらが塗料に付着し、乾燥後にブツとして現れてしまうことがあります。塗装を行う前には、周囲の環境を清潔に保ち、塵や埃をしっかりと除去することが重要です。

その他、具体的な原因経路としては、ろ過装置、塗装ブース、作業服の毛羽立ちなどが挙げられます。

塗料に含まれる異物を除去するためのろ過装置が正常に機能していない場合、異物が塗膜に付着し、ブツの原因となることがあります。定期的にろ過装置の点検を行い、異常があれば速やかに修理または交換する必要があります。

塗装ブース内に塵や埃、塗料の飛沫などが付着していると、それらが塗膜に混入し、ブツの原因となることがあります。塗装ブースは常に清潔な状態を保つように心がけ、定期的に清掃を行う必要があります。

作業服の毛羽立ち: 作業服から発生した毛羽が塗料に付着し、ブツの原因となることがあります。塗装作業を行う際は、毛羽立ちにくい防塵服を着用し、軍手などの使用は避ける必要があります。

2.塗料

使用する塗料の種類や品質、そしてその取り扱い方法も、ブツの発生に大きく関わってきます。

塗料の粘度は、塗布のしやすさや仕上がりに大きく影響します。粘度が高すぎる塗料は、均一に塗布することが難しく、ブツの原因となることがあります。一方、粘度が低すぎる塗料は、垂れやすくなったり、塗膜が薄くなってしまうため、これもまたブツを引き起こす可能性があります。

安価な塗料や、保管状態が悪い塗料を使用すると、塗料の成分が劣化し、ブツが発生しやすくなる可能性があります。信頼できるメーカーの塗料を選び、適切な方法で保管することが大切です。

3.吹き付け方法

スプレーガンと塗装面との距離は、塗料の塗布量や乾燥速度に影響します。距離が近すぎると、塗料が厚くつきすぎてブツになりやすくなります。逆に、距離が遠すぎると、塗料が薄くムラになり、これもブツの原因となることがあります。

スプレーガンを動かす速度が速すぎると、塗料が均一に塗布されず、ブツが発生しやすくなります。一定の速度で、スプレーガンを滑らかに動かすことが重要です。

一度に厚く塗料を塗布すると、塗膜内部の乾燥が不十分になり、ブツが発生しやすくなります。薄く塗って、しっかりと乾燥させてから重ね塗りをすることで、ブツを防ぐことができます。

当社のプラスチック塗装・コーティング体制

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当サイトを運営する富士合成は、プラスチック成形から加飾(塗装・コーティング・印刷)・組立まで一貫対応しております。実際、塗装トラブルを発生させないプラスチック塗装を行うために実践していることが以下になります。

  1. 1. 最適な溶剤選定
  2. 2. 適切なプライマー選定
  3. 3. 乾燥条件の最適化

上記の3点が重要になります。製品に合わせて適切な溶剤とプライマーを選定し、最適な温度と時間で乾燥を行います。層間剥離等を防止するためには、この温度と時間の最適化。条件は製品の膜厚、塗料、環境(湿度)によって条変化させています。

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当社のプラスチック塗装・コーティングの試作

富士合成では、プラスチック塗装・コーティングを、量産だけではなく試作から対応可能です。

お客様のご要望を丁寧にヒアリングしたうえで、当社から塗料・コーティング剤のご提案、あるいはそれらの開発から入り込むことにより、コスト(量産性)・品質(機能性・美観性)を両立することが可能になります。

近年では、通信機器・住宅設備・美容家電・アウトドア用品メーカーなどの設計・開発者様やデザイナー様からご相談を頂き、金属調塗装や耐久性・撥水性・防汚性向上コーティング、あるいはめっき・蒸着から塗装・コーティングへのリプレイス等をご提案しております。

さらに、塗膜の密着性評価や引っかき試験、促進耐候性試験や塩水噴霧試験などの試験・評価体制も整えております(一部、協力企業様と連携)。その際、下記のような試験・評価データをご提出させていただきます。

試験・評価データサンプル(ボカシをかけております)

色味、質感、要求する機能性、製品用途などの情報や、「色合いを微妙に変えて複数パターン欲しい」などのご要望を頂けましたら、試作サンプルのご提出が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

試作サンプル(上記は高輝度塗装の例)