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高単価民生品への意匠性塗装・コーティング開発実績紹介
民生品の多くは、軽量化・価格等を考慮し、プラスチックが良く使用されます。しかし、プラスチックの見た目は大衆製品においては受け入れられますが、数万円を超える高級価格帯の製品となるとプラスチックの見た目のままではたとえ加飾されていたとしてもなかなか受け入れられません。さらに、プラスチック素材は表面の細かな傷がつきやすいため、そのままの素材では受け入れられにくいものです。
そこで当社では、高級価格帯の製品に適した金属調塗装(高輝度塗装)を開発し、お客様に提供しています。今回は、某大手電機メーカー様と共同で開発を行った電動シェーバーの試作~量産までの流れをご紹介いたします。
1.電動シェーバーの開発品に対する意匠性付加のご相談
日本の大手電機メーカー様より、「外観部品の一部を日本国内調達にしたいとご相談があり、そのプラスチック部品の塗装について相談に乗ってほしい」というご相談がありました。価格帯が数万円と非常に高い製品のため、プラスチックの外観品質(意匠性)ならびに、強度・耐久性を向上させたいとのことでしたので、具体的な商材とともにご要望を伺い、塗料・コーティングの提案を行うことになりました。

2.試作から明度・色味・輝度を調整し、塗装サンプルを提出



今回、当社にご相談をいただいたパーツは主に4点ありました(写真で指示している箇所です。)。パーツごとに色味・明度は細かく指定があり、かみそり部の枠部分と電源ボタンにあたる手持ちの箇所はマット感を残した黒色が指定され、軸部と、かみそりの箇所をつなぐ箇所は銀メッキに近い塗装色指定がありました。
サンプルの製作時には、デザイナーの方にご来社いただいてお打ち合わせを行い、高い耐久性と意匠性を兼ね備えた金属調塗装(高輝度塗装)であるVMC塗装をご提案しました。
試作段階では、デザイナーの方からの明度・彩度などのご要望を伺い、複数回のサンプル提出後、塗料ブレンドや充填剤、吹き付け量、塗装治具による把持方法などを調整することで、当初よりお客様がご要望されていた意匠性・強度を満足いただけるにお応えしました。
電動シェーバーという用途から、お風呂場や流しで使用することが多い製品のため、外観性だけでなく、充分な塗料密着性・防水性があるかも評価しています。塗装だけでなく、メーカーロゴの印刷や充電残量がライトで表示されるためのレーザー加工なども対応させていただきました。量産もご依頼いただきました。