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プラスチックのパール塗装・偏光パール塗装
今回は、パール塗装・偏光パール塗装などハイブランドの化粧品プラスチックケースに多く採用されているパール調加飾について、プラスチック塗装・コーティングのプロフェッショナルがご紹介します。
パール調加飾とは?

パール調加飾(英語:Pearl-like Decoration)とは、文字通り、素材をパールのように仕上げることで優れた美観性と独特の光沢を付与することで、ギラギラとしたメタリック調とは異なる落ち着いた高級感を醸し出すことができる加飾技術です。
パール調加飾の用途
パール調加飾は、主にハイブランドのスキンケア・化粧品容器(コスメ容器)や美容家電に多く採用されています。
具体的には、化粧水・美容液などのボトル容器、クリーム・ジェルなどのクリームジャー容器、ファンデーション・アイシャドウなどのコンパクト容器、口紅・リップクリーム・コンシーラーなどのスティック容器、その他美顔器や光美容器、脱毛器といったものがあります。
パール調加飾の種類
パール調加飾は、①パール着色、②パール塗装、③偏光パール塗装という3つに分類されます。

①パール着色
パール着色(英語:Pearl Coloring)は、プラスチック成形前に樹脂ペレットにパール顔料を添加することで、成形のみでパール調に仕上げる方法です。塗装・コーティングに比べると美観性や光沢は劣り、カラーバリエーションも限られますが、後工程省略によるコストダウン・納期短縮、そしてムラが無く均一といった特徴があります。一体成形のため、キャップとの篏合部・ネジ部もパール調になります。
②パール塗装
さらに光沢や奥行きのあるパール感を求めるのであればパール塗装(英語:Pearl Painting)です。パール塗装は、プラスチック成形後に、パール塗料を吹付け塗装する加飾です。
塗装工程が増えるためその分コストアップになりますが、着色では出せない高級感や艶を付与することができ、高い美観性を得ることができます。さらに、パールの粒子サイズを調整することで、微妙なきらめきの違いを表現することも可能です。
③偏光パール塗装
高級美容家電やシグネチャーブランドの化粧品容器であれば、パール塗装よりもさらにグレードの高い偏光パール塗装(英語:Polarized Pearl Painting)がオススメです。
偏光パール塗装は、特殊な調色を施したパール塗料を吹き付けることで、角度や光の当たり具合によって色や見え方が変化する幻想的な意匠に仕上げることができる塗装技術です。こういった偏光性塗料を、カメレオンカラーやカラーシフトペイントなどと呼びます(光ではなく温度によって変色する示温塗料というものもあります)。
通常、下地塗装+偏光パール塗装+クリアトップコートというように3層に塗装することが多く、下地の色によって全く異なる偏光パール塗装になります。塗装工程が複雑化しコストが上がるため、試作を何度も繰り返して最適な調色や塗装条件を見極めたうえで量産に移行する必要があります。
当社によるプラスチックのパール調加飾
富士合成では、プラスチックのパール着色・パール塗装・偏光パール塗装について試作・量産の実績があり、数量・納期・予算と要求品質(機能性・美観性)に応じて、最適なパール調加飾のご提案が可能です。
パールの粒子サイズや含有量、下地塗装の色など複数パターンを比較したい、あるいはパール調だけでなく、輝度が高いメタリック調、めっき調、光沢を抑えたマットな質感、良触感(ソフトフィール)なども試したいということであれば、サンプル試作・テストピース塗装をぜひご依頼ください。

茨城県結城市の塗装専用工場では、国内トップクラスの全長330m、274m、270mの3コートスピンドル塗装ラインを各1ライン、計3ライン保有しているため、3コートが必要な偏光パール塗装に対応可能な体制を整えております。
シルクスクリーン印刷、シルクパッド印刷、回転シルク印刷の各印刷機も同工場内に設置しているため、「印刷・印字までした塗装サンプルを見て判断したい」という場合も、柔軟に対応いたします。
弊社では、上記の3コートスピンドル塗装ラインを用いた、スキンケア・化粧品容器や電子機器へのパール塗装・偏光パール塗装の実績が豊富にございます。その一例をご紹介します。

タブレットリアカバーのパール塗装
当社にて成形から塗装、ホットスタンプによるロゴ入れまで行いました(機密保持の都合上、画像を加工してロゴが見えないようにしております)。
美観性が求められる製品のため、お客様とすり合わせの上、パール塗装を行っております。
富士合成のプラスチック塗装・コーティング
プラスチック成形から塗装・コーティング・印刷までの一貫体制をもつ富士合成では、通信機器・住宅設備・美容家電・アウトドア用品メーカーなどの設計・開発者様やデザイナー様からご相談を頂き、プラスチックへの高輝度塗装や耐久性・撥水性・防汚性塗装、あるいはめっき・蒸着から塗装・コーティングへのリプレイス等をご提案しております。
さらに、塗膜の密着性評価や引っかき試験、促進耐候性試験や塩水噴霧試験などの試験・評価体制も整えております(一部、協力企業様と連携)。その際、下記のような試験・評価データをご提出させていただきます。

色味、質感、要求する機能性、製品用途などの情報や、「色合いを微妙に変えて複数パターン欲しい」などのご要望を頂けましたら、試作サンプルのご提出が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
